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雑多な趣味のあれこれ

dhbの秋冬用 (2015 A/W) ビブとジレ購入

イギリスの通販サイトWiggleの自社ブランドであるdhbのサイクルウェアを2着購入しました。11月頭に注文したのですが、先日のブラックフライデーセールで買ったばかりの50%オフになっているのを見つけてしまいなんとも言えない気分なりました。冬支度早すぎた…

 

Vaeon Roubaix Padded Bib Tight

さて、まずはビブからご紹介。今回購入したのは秋冬向けビブのVaeonシリーズで、防寒レベルとしては秋寄りに位置するVaeon Roubaixです。Vaeonシリーズのラインナップは以下の通り。

Vaeon - 秋の気候向けです。
Vaeon Roubaix - 一般的な冬の気候向けです。
Vaeon Reflex - 一般的な冬の気候や、光の少ない条件向けです。
Vaeon Zero - 寒さの厳しい気候向けです。 

秋口は夏用レーパン/ビブとレッグウォーマの組み合わせで乗り切ることを想定してVaeon Zeroを購入したかったのですが、サイズがなかったのでVaeon Roubaixにしました。外側がウィンドブレーク生地というわけではないですが、肌触りの良い裏起毛でとても暖かいです。寒い地域の方は厳しいかもしれませんが、私は東京/神奈川の多摩CRエリアなのでなんとかなりそう。ただ1,2月の厳冬期は厳しいかな?

ビブのサイズはXSを選択し、身長166cm/体重56kg/股下75cmの私には肩紐やウエストなど全てピッタリで着心地抜群でした。パッドの厚みはパールイズミの3Dネオと同じくらいですが、肌触りなど質感は3Dネオの方がさすがに上かなという感じ。ジッパーはお腹と足首に付いており、嬉しいYKK製です。特にお腹のジッパー仕様はアレコレ諸用を済ます際に助かりますね。これが定価1万円を切っているわけですからdhbは素晴らしい。

 

Aeron Lightweight Windslam Gilet

お次はジレです。本当はRaphaのジレが欲しかったのですが、高価過ぎてセール価格でもなかなか手が届かないので、他に気に入るデザインのジレがないかずっと探してました。今シーズンから加わったらしいdhbの新シリーズAeronをチェックしたらシンプルでなかなかいいデザインなんですよね。他にもこのシリーズではジャージ、ビブ、ソックスなど一通り作っています。

こちらもサイズはXSでジャストフィットでした。背中はメッシュになっていてしっかりと空気が抜けていきます。メッシュ部分の両脇に開口箇所があって、ここから下に着ているジャージの背面ポケットにアクセス出来るのがなんとも便利。裏尾根幹みたいな場所を走っているとちょこちょこiPhoneを取り出してマップを確認するのですが、そんな時には大助かりです。真冬用のグローブを着用していると手を入れるのは厳しいかも。(ちなみにRaphaのジレなら背面ポケット付いてるんだよなぁ…)首部分は内側がソフトな裏起毛生地になっていて若干のストレッチも効いてるので、ジッパーを上げきっても締め付け感はありません。

 

いずれも定価買いでしたが、品質もよく満足いく買い物でした。

バットマン:イヤーツー

バットマン:イヤーワン/イヤーツー』から、今回は「イヤーツー」(1987年作)の紹介。「イヤーワン」についてのポストはこちら↓ 

ライターはマイク・W・バーが務める。作画陣はアラン・デイビスとポール・ニアリーの体制で進むが、途中からトッド・マクファーレンとアルフレッド・アルカラに代わる。(マクファーレンはその後『スポーン/バットマン』の作画を手掛ける)

 

ストーリー

タイトル通り、本作はバットマンとしての活動2年目が描かれており、20年前にゴッサムを恐怖に陥れた覆面の殺人鬼リーパーが復活した、というところからスタート。殺人鬼とはいうものの、このリーパーも街からの犯罪撲滅を目的としたヴィジランテ活動を行っている。が、しかしバットマンと決定的に異なるのは、私刑を容認しているということ。バットマンは犯罪者を警察へ引き渡し、あくまで法で裁くことをポリシーとしているのだが、リーパーは次々と犯罪者を殺していくのだ。リーパーはバットマンこそが己の使命を引き継ぐ後継者であると認識しているようだが、当然バットマンはそれを否定する。

 

バットマンはリーパーの行いを止めようとするも返り討ちに遭い、ボロボロの状態で屋敷に戻ることになる。持てる力を全て出し尽くしたにも関わらず子供扱いされてしまったことから、ブルースは彼が一番手にしてはならないもの/かつて自身の両親の命を奪ったもの、拳銃を手にしてしまう。そしてリーパーへのリベンジのため、一時的とはいえマフィアと手を組むことになるのだが、そこで登場するのがジョー・チル、ブルースの両親を殺害した男/バットマンを生み出した男だったのだ。二人はリーパーの元へと向かう。

 

ここでイヤーツー(チャプター1から4まで)は終了するが、チャプター5として「フル・サークル」(1991年作)というストーリーが始まる。後付け感が強いものの、一応イヤーツーの完結編であり、後日譚的な内容となっている。ストーリーラインを説明してしまうと、イヤーツーのラストを含め色々とネタバレになってしまうので割愛するが、ある男があるものに扮してバットマンの前に立ちはだかる。ちなみにフル・サークルではロビンも登場する。

 

感想

各所で言われている通り、名作であるイヤーワンの続きものとして読むといい作品だとは言い難い。しかし、マイク・W・バーのまえがきを読めばそれも仕方なしと思えもする。バーはまえがきで「木を切るだけではダメだ。その後に新しい木を植えなければ。」という思いを表明しているし、『ディテクティブ・コミックス』誌での連載スタート時点で「イヤーワンと競おうという望みは捨てた。違う方向を目指す。」とも綴っている。そして、これまでバットマンを手がけた様々な作家の名前を挙げ、「彼ら巨人の方に我々は立っているのだから。」とまえがきを締めている。このような思いが背景にあることを知ったうえで読めば、このイヤーツーの印象も多少は変わるのではないだろうか。だからこそバーは今作でバットマン/ブルースに拳銃を持たせ、因縁の男ジョー・チルを驚くべき形で登場させたわけだ。とはいえ、ブルースが拳銃を手にするシーンはあまりにもあっさりし過ぎているし、もう少し葛藤するような演出が欲しかった。そこだけは納得いかない。

バットマン イヤーワン/イヤーツー

バットマン イヤーワン/イヤーツー

 

 

バットマン:イヤーワン

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ヴィレッジブックスから刊行されている『バットマン:イヤーワン/イヤーツー』から、今回はバットマンのオリジン/誕生譚の名作「イヤーワン」(1987年作)の紹介。ライターはこれまた大名作である『バットマンダークナイト・リターンズ』のフランク・ミラー

 

ストーリー

バットマンとして自警団/ヴィジランテ活動を始めたブルース・ウェインと、持ち前の正義感から疎まれ、過ち(=同僚の汚職を告発)を犯したことからゴッサム・シティへ左遷されてしまったジェームズ・ゴードン。ブルースの生い立ちとバットマン誕生の経緯から、この二人の出会い、同じ志を持つ両者が協力者として理解を深めていく過程がとても丁寧に描かれている。

 

18年前、家族で「奇傑ゾロ」を観た帰りに強盗に襲われ両親を殺された幼きブルース。そんな彼が"外遊"から12年ぶりに故郷であるゴッサム・シティへ戻ってきた。しかし、この外遊というのは外向けの理由で、実際にはゴッサムから犯罪を撲滅すべく修行していた。やがて服装や特殊メイクで変装してヴィジランテ活動を開始しますが、犯罪者たちは怯むことなくやりたい放題。満身創痍で屋敷に戻り、苦悩するブルースの目の前に飛び込んできたのは蝙蝠だった。ここからブルースがバットマンになる決意をするまでのシーンは本当に素晴らしい!

 

一方でゴードンは、ただでさえ正義感の強い男だから犯罪で溢れかえるゴッサムでは尚更てんやわんや。彼を悩ますものは街だけではなく、警察内部も汚職だらけで腐敗している。さらには、すっかり疲れきっている中で同僚の女性刑事と不倫関係に発展してしまう始末。家に帰れば身重な奥さんがいるというのに!その後、汚職警官につけこまれた結果、生まれたばかりの子供をマフィアに誘拐されてしまう。ゴードンは我が子を救い出すことが出来るのか。

 

感想

前述の通り、ブルースがバットマンになることを決意するシーンは素晴らしいし、それだけで名作になりうるのだけれど、この作品の見所はブルースよりゴードンでしょう。不倫相手との逢引の後、帰宅した彼が身重な奥さんの寝ているベッドに腰掛け拳銃を手に自問自答するシーンは、彼の罪悪感や虚無感など様々な想いが読者であるこちらまで染みこんでくるような気がしてくるくらいの名シーン。割りとクリーンで真面目なイメージのゴードンだが、本作の泥臭く人間味溢れる姿にはグッとくる。

 

シリアスな雰囲気と細やかな心理描写、フランク・ミラーお得意のハードボイルドなストーリーに魅了されること間違いなし。デビッド・マッズケリのアートもこれまた素晴らしく、暗めで淡い色使いとトーンがドラマの雰囲気や魅力を引き出すのに一役買っている。本作にはド派手なヴィランが出てくるわけでもなく(超短髪でなんとも言えないデザインのセリーナは出てくる)、アメコミに何を期待しているかによって大きくズレてしまうと思うけど、アメコミ/バットマン初心者にオススメしたい作品。ただ、初めての一冊には少し暗すぎるかもしれない。今ならNEW52の『バットマン:ゼロイヤー』があるし、スナイダー&カプロの素晴らしい作品なのだけれど、バッツ・オリジンなら、まずは本作を手にとって読んで欲しい。 

バットマン イヤーワン/イヤーツー

バットマン イヤーワン/イヤーツー